当社でも肥後金工は比較的多く扱っていますが、この作品は直球、ど真ん中ストレート、これぞ肥後金工の精神が反映された作品と云ってもよいでしょう。
綺麗で新しい物を良しとせず、敢えて枯らした雰囲気を出す為に、金色絵を施した頭を研磨して摩耗させ、また上から塗った漆さえも研磨して、残る部分にだけ残すように枯らし、縁の雁の金象嵌を一度はめ込み、敢えて枯れた感を出す為に、また細部の金象嵌を外し、時代経過による劣化のようにみせかけ、そしてそれを美意識として表現している様は肥後金工の精神そのものであり、近年寺社仏閣が綺麗に塗りなおされ、ピカピカな文化財が多く目立つが、茶の湯の精神と文学、歴史を再度日本人が学び、引き算の美や侘び寂びの再認識もまた必要であろう。
大きさ:(縁)3,9cm (頭)3,5cm
附:保存刀装具鑑定書 無銘 二代西垣勘四郎 Hozon paper Mumei 2nd NIshigaki Kanshiro
価格 ”売約” 致しました。 東京都 御人 いつも有難う御座います。