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【鍔】無銘(古金工)”左右海鼠透虫喰図” 売約済

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また何とも味わい深い古金工の鍔である。 後の肥後金工の大家である、平田彦三や西垣勘四郎、そして志水甚五へのインスパイアを与えたであろう作風で、茶道の精神でもある、”枯れた” 感じがとても良く、敢えて腐敗や浸食といったネガティブな表現である虫喰のデザインは、また様々な事を感じさせてくれる。

全ての生命は誕生より劣化し、形を変えていき、地に戻るような生命の流れ、また同じ時間は二度とない、経過という止められない波、虫喰われた様までも受け入れ、美術に昇華し、時代経過による変色もまた”美”であると訴えかけてくるようである。

昨今の寺社仏閣が文化財保存の観点から、ピカピカに塗りなおされて、生まれ変わる流れがあるが、二度と取り戻せぬ、時代経過による味わいが失われる流れも、少し考えさせられる。

大きさ:(縦)8,1cm(横)7,15cm(切羽台重ね)0,4cm

附:保存刀装具鑑定書 無銘 古金工 Mumei Ko-Kinko

価格 ”売約” 致しました。 神奈川県 御人 有難う御座います。

【鍔】無銘(刀匠)”素紋図”

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一見ただの板鍔に見えるが、古鍔愛好家の間では、刀匠、甲冑師は特別な価値観を備えており、この作品は鉄地の槌目地が良く表れており、特徴である薄手の造り込みではあるが、手にずっしりと重量を感じ、また小柄櫃穴も時代が上がる特徴の形状であり、刀鍛冶が余鉄を以て鍔を製作した作品であるが、時代がしっかり表現されており、武骨で味のある鍔である。 耳の槌目地も美しく、戦乱の世の中の時代にタイムスリップ出来る美術品である。

大きさ:(縦)8,6cm(横)8,57cm(重ね)0,299cm

附:保存刀装具鑑定書 無銘 刀匠 Mumei Tosho

価格:12万円 120,000 JPY

【名品紹介】肥前国住近江大掾藤原忠広 ”売約済”

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日本刀愛好家が一度は手にした事がある江戸時代を代表する刀工、二代近江大掾忠広の作品である。 一門門弟の代作や代銘が多く存在し、作品数は圧倒的な数を誇り、重要刀剣に指定された長い刀だけでも120振り前後と非常に多く、その理由も作品数が多いだけでなく、現代に至るまで、数多くの刀剣愛好家の手元で所有者の心を満たしてきたからである。

江戸時代の美術刀剣の代表とも云える作風は、米糠肌と云われる地鉄は刀剣初級者でも分かりやすい程、万人が見ても美しいと感じる潤いを保ち、中でも直刃は評価が高い。

特にこの作品は当社、近江大掾を100振り以上扱ってきた、経験上、トップクラスの作品であり、生ぶ刃が残る程、健全な保存状態で、刃肉は打ち下ろし当時のままを保った完品であり、中でも出来が特筆されるほど、匂口輝き締り、その上に分厚い輝く沸が満遍なく敷き詰められており、二代近江大掾の直刃のトップクラスの出来を誇る。

重要刀剣指定品 (附)変塗鞘打刀拵付

価格 ”売約” 致しました。 いつも有難う御座います。

 

 

【縁頭】無銘(二代西垣勘四郎)”四阿図” 売約済

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当社でも肥後金工は比較的多く扱っていますが、この作品は直球、ど真ん中ストレート、これぞ肥後金工の精神が反映された作品と云ってもよいでしょう。

綺麗で新しい物を良しとせず、敢えて枯らした雰囲気を出す為に、金色絵を施した頭を研磨して摩耗させ、また上から塗った漆さえも研磨して、残る部分にだけ残すように枯らし、縁の雁の金象嵌を一度はめ込み、敢えて枯れた感を出す為に、また細部の金象嵌を外し、時代経過による劣化のようにみせかけ、そしてそれを美意識として表現している様は肥後金工の精神そのものであり、近年寺社仏閣が綺麗に塗りなおされ、ピカピカな文化財が多く目立つが、茶の湯の精神と文学、歴史を再度日本人が学び、引き算の美や侘び寂びの再認識もまた必要であろう。

大きさ:(縁)3,9cm (頭)3,5cm

附:保存刀装具鑑定書 無銘 二代西垣勘四郎 Hozon paper Mumei 2nd NIshigaki Kanshiro

価格 ”売約” 致しました。 東京都 御人 いつも有難う御座います。

【鍔】(銘)長州萩住友久作 ”菊籬図”

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長州鍔の入念作にはやはり心奪われてしまう。隙の無い黒く澄んだ極精良な鉄地に絵画作品においての筆の強弱を使い分け描く様な、繊細且つ緻密な線細表現、高低差0,0mm程の中に、無限の広がりと奥深さが感じられ、これぞ日本が世界に誇る金工技術であり、激動の幕末に多数の名工を輩出した長州文化や歴史を感じられる名鍔である。

大きさ:(縦)8,0cm(横)7,53cm(重ね)0,4cm

附:特別保存刀装具鑑定書 Tokubetsu Hozon paper

価格:23万円 Price: 230,000 JPY

【鍔】無銘(応仁)”霞文図”

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古刀匠や古甲冑師鍔のように時代の上がる鍔は独特な味わいがあり、鉄のゴツゴツとした武骨な味わいや経過年数をしっかりと感じられる彫物の枯れた後や霞紋の残り具合等、古鍔を鑑賞する上で劣化=欠点にはならず、逆に美点として評価するのは日本美術独特な美意識であり、勿論大振りで薄型の応仁鍔の特徴もしっかりとあり、しっかりと手入れされた枯れた古民家に味わいを感じるような作品である。

大きさ:(縦)8,52cm(横)8,5cm(重ね)0,33cm

附:保存刀装具鑑定書 無銘 応仁 Hozon paper Mumei Onin

価格:20万円 Price: 200,000 JPY

【鍔】無銘(南蛮)”波濤雲龍図”

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これまたどのような注文にて製作されたのであろう、巨大な鍔でとても面白い。切羽台や耳より鋤出高彫で彫られた、高い龍図の表現や、さりげなく使用されている金、銀、銅の象嵌が控えめであり、兎にも角にもこの大きさは特筆すべき特徴の作品である。

大きさ:(縦)9,97cm(横)9,99cm(重ね)切羽台0,4cm

附:保存刀装具鑑定書 無銘 南蛮 Hozon paper Mumei Namban

価格  ”売約” 致しました。 米国 御人 いつも有難う御座います。

【鍔】無銘(赤坂)”武蔵野透”

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赤坂といえば武蔵野図や時雨亭図等が代表的で、赤坂派の図案構成や美意識を継承し、幕末まで様々に表現された作品があり、多様性を楽しむ刀装具文化としても、研究対象として興味深い。

伸びやかな線の重なりに三日月が特徴的な図案で、夜の清閑な時間を連想させ、心落ち着かせ、日本人の心に沁みわたる作品であり、状態も良い為、鉄味が艶やかで潤いすら感じる地鉄に形の良くバランスのとれたデザインが古典的であり、赤坂らしい典型作である。

大きさ:(縦)7,68cm(横)7,66cm(重ね)0,54cm

附:保存刀装具鑑定書 無銘 赤坂 Hozon paper Mumei Akasaka

価格:15万円 Price: 150,000 JPY

【鍔】無銘(古赤坂)”桐五本矢透” 売約済

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0873-1手元を保護する目的の鍔という金具にも日本人は美意識や精神性を反映し、美術品に昇華した文化を現代の次の世代にも伝えていかなければ、と日々感じておりますが、この鍔も簡単には表現出来ない歴史や文化を孕んだ作品である。

まず古赤坂とは上三代の赤坂派の始祖達の作品を証するものであるが、この作品はとても特徴の表れた作品といえよう。 均等な美しい丸形では無く、少し上下に引っ張ったような不自然な丸形は時代や雅味を感じられ、後の時代の表現方法のような桐図では無く、どこか武骨で稚拙な桐紋は何故か心が落ち着く味を携え、勿論古赤坂としての切羽台、櫃穴の形状等は典型そのものであり、刀身に装着されてきた歴史も感じれる刀櫃穴の独特な形状も、また時代の特徴ともいえ、丸耳の形状もどこかゴツゴツとした景色が、また古赤坂の特徴として典型であり、この鍔一枚から日本金工史から刀装具文化を深く学べる作品として、名鍔である。

大きさ:(縦)7,59cm(横)6,88cm(重ね)切羽台 0,52cm 耳0,56cm

附:保存刀装具鑑定書 無銘 古赤坂 Hozon paper Mumei Ko-Akasaka

価格 ”売約” 致しました。 欧州 御人 有難う御座いました。

 

【鍔】鉄元堂正楽(金印・敏行)”双龍図” 売約済

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日本刀装金工史で京都三名工の一人であり、鉄地作品が特に評価高い鉄元堂正楽の作品である。 小振りではあるが、拡大鏡を使用し、その仕事の細部を拝見するとため息が出る程の圧巻の仕事振りで素晴らしい。

素材として一番加工しにくいといわれている精良な鍛鉄を使用してるが、木工作品の様に柔かく感じる程の超絶技巧の業はやはり名工と誉高い鉄元堂正楽の作品として後世に残し伝えるべき日本の文化財である。

龍の肉付、ウロコの精細さ、盛り上がっている力強い肩や背鰭の品格、勿論顔の細部や圧巻は宝珠を掴んだ爪が三次元のように複雑で、どのように鏨を入れたらこのような仕事が出来るのか、本当に素晴らしい

大きさ:(縦)6,11cm(横)5,8cm(重ね)切羽台 0,5cm

附:特別保存刀装具鑑定書 Tokubetsu Hozon paper

価格 ”売約” 致しました。 香川県 御人 いつも有難う御座います。