これまた何とも面白い作品であろう。非常に大きく表現した鮎とプリッとした貝図がとても愛らしく、江戸風の作品であり、粋である。 寿親は高橋氏で東龍斎、田中清壽の門人で巧手である。
四分一地ではあるが、赤銅のように、黒く落ち着いた色であり、いや、赤銅では表現出来ない色でもあり、画題と変わった作風を上品にまとめている。
大きさ(魚図)6,2cm(貝図)2,8cm
附:保存刀装具鑑定書 割際端銘 寿親・正とし
価格 ”売約” 致しました。 米国 御人 いつも有難う御座います。
刀装具小道具愛好家であれば、龍獅堂の箱が付いていれば、中身を見るまでも無く、購入意欲が駆り立てられる程、知名度が高い。
鏨廼花の書籍は余りにも有名で、明治金工の名品の殆どが掲載されており、また龍獅堂の箱に入っていると伝来の良さとしてもまた価値の高いものである。
さて、作者の明祥とは井上氏で、井上家は代々加茂神社の社家である。余技として彫技を行い、荒木東明に師事し、中川一匠などとも交遊があった。明治二年には宮中の御用で菊御紋の太刀一腰と短刀二腰を調達した。
大きさ:(縁縦)3,87cm (頭)3,53cm
附:特別保存刀装具鑑定書 銘 明祥 花押 龍獅堂共箱入
価格:38万円 Price: 380.000 JPY
また何とも味わい深い古金工の鍔である。 後の肥後金工の大家である、平田彦三や西垣勘四郎、そして志水甚五へのインスパイアを与えたであろう作風で、茶道の精神でもある、”枯れた” 感じがとても良く、敢えて腐敗や浸食といったネガティブな表現である虫喰のデザインは、また様々な事を感じさせてくれる。
全ての生命は誕生より劣化し、形を変えていき、地に戻るような生命の流れ、また同じ時間は二度とない、経過という止められない波、虫喰われた様までも受け入れ、美術に昇華し、時代経過による変色もまた”美”であると訴えかけてくるようである。
昨今の寺社仏閣が文化財保存の観点から、ピカピカに塗りなおされて、生まれ変わる流れがあるが、二度と取り戻せぬ、時代経過による味わいが失われる流れも、少し考えさせられる。
大きさ:(縦)8,1cm(横)7,15cm(切羽台重ね)0,4cm
附:保存刀装具鑑定書 無銘 古金工 Mumei Ko-Kinko
価格 ”売約” 致しました。 神奈川県 御人 有難う御座います。
日本刀愛好家が一度は手にした事がある江戸時代を代表する刀工、二代近江大掾忠広の作品である。 一門門弟の代作や代銘が多く存在し、作品数は圧倒的な数を誇り、重要刀剣に指定された長い刀だけでも120振り前後と非常に多く、その理由も作品数が多いだけでなく、現代に至るまで、数多くの刀剣愛好家の手元で所有者の心を満たしてきたからである。
江戸時代の美術刀剣の代表とも云える作風は、米糠肌と云われる地鉄は刀剣初級者でも分かりやすい程、万人が見ても美しいと感じる潤いを保ち、中でも直刃は評価が高い。
特にこの作品は当社、近江大掾を100振り以上扱ってきた、経験上、トップクラスの作品であり、生ぶ刃が残る程、健全な保存状態で、刃肉は打ち下ろし当時のままを保った完品であり、中でも出来が特筆されるほど、匂口輝き締り、その上に分厚い輝く沸が満遍なく敷き詰められており、二代近江大掾の直刃のトップクラスの出来を誇る。
重要刀剣指定品 (附)変塗鞘打刀拵付
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当社でも肥後金工は比較的多く扱っていますが、この作品は直球、ど真ん中ストレート、これぞ肥後金工の精神が反映された作品と云ってもよいでしょう。
綺麗で新しい物を良しとせず、敢えて枯らした雰囲気を出す為に、金色絵を施した頭を研磨して摩耗させ、また上から塗った漆さえも研磨して、残る部分にだけ残すように枯らし、縁の雁の金象嵌を一度はめ込み、敢えて枯れた感を出す為に、また細部の金象嵌を外し、時代経過による劣化のようにみせかけ、そしてそれを美意識として表現している様は肥後金工の精神そのものであり、近年寺社仏閣が綺麗に塗りなおされ、ピカピカな文化財が多く目立つが、茶の湯の精神と文学、歴史を再度日本人が学び、引き算の美や侘び寂びの再認識もまた必要であろう。
大きさ:(縁)3,9cm (頭)3,5cm
附:保存刀装具鑑定書 無銘 二代西垣勘四郎 Hozon paper Mumei 2nd NIshigaki Kanshiro
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